Re:電文
QBCさん:> --- (Not)less than three hundred thousand Chinese civilians slaughtered, many cases (in) cold blood.
こんな感じみたいです。 ---
それは、アイリスチャンの本に掲載された広田弘毅が転送した電文のことではないでしょうか。アイリスチャンが公開するまでは、知られていなかったものです。南イリノイ大学のTian-wei Wu教授が発見したと、あるサイトにありました。 ちなみに、私はその電文の原文(Timperleyが手紙で The Manchester Guardian へ送ったもの)の写しを所蔵しています。その個所は元の電文ではこうなっています。 --- survey by one competent foreign observer indicates in yangtze delta no less than three hundred thousand chineese civilians slaughtered many cases cold blod stop
ある適格な(有能な)外国人の目撃者による調査が示すところでは、揚子江デルタ地帯で30万人もの中国市民が虐殺されたが、多くの場合は残虐に殺された。[引用者訳] ---
"What War Means"pp.84-85 (Chapter VI CITIES OF DREAD) に、ほぼ同じ記述がでてきます。 --- According to a creful estimate made by a foreign observer who had visited these regions on several occasions, both before and after the Japanese occupation, at least 300,000 Chinese civilians have lost their lives as a result of the Sino-Japanese hostilities in the Yangtze Delta.
(邦訳は『日中戦争史資料 9』p.61 にあります。) ---
ここで、"a foreign observer " がジャキノ神父(上海国際赤十字の要職にあり、その難民委員会の責任者でもあった)であることは、Timperley の1938年3月28日付けの手紙に書かれています。[『南京事件資料集 1アメリカ関係資料編』pp.374-375]すなわち、広田電にある" one competent foreign observer "もジャキノ神父です。 ニュースソースを示す"survey by one competent foreign observer indicates in yangtze delta"が、なぜか広田電では削除されています。そのため、意味が曖昧になっているわけです。 原文では、明らかに揚子江デルタと地域が明記され、南京事件の犠牲者数と直接の関係はありません。この電文が南京事件の犠牲者数を示しているとしたのは、アイリスチャンが初めてで、しかも誤解でした。
どうして「南京30万人大虐殺」とこの電文が関係があると思われたのでしょうか?これは、前の投稿でお尋ねしたことなんですが。
(電文の元文については触れていませんが、揚子江デルタの「30万人」については、『季刊 中帰連』22号[2002年秋]p.94<もとめているのは「実像」か「虚像」か? 北村稔『「南京事件」の探求 その実像をもとめて』を批判する>に書きました。詳しくは、そちらをご覧ください。)
|