>意義とは何のための意義ですか?
ちょっとご質問が抽象的なので答え難いのですが、「意義」とは法の目標である正義が実現されるという意義です。
なお、
>歴史に残る画期的な判決です。昨年の毒ガス遺棄訴訟の判決以上に意 >義のある判決なのではないかと思われます。
と書きましたが、ちょっと褒め過ぎだったかなと思っています。 今回の判決は、除斥期間については「本件不法行為の態様は悪質で被害は深刻だが、正義・公平という理念のみから除斥期間の適用を全面的に排除することは法律の明文規定を無視することに他ならず、解釈の域を超えている。被告らの不法行為責任は除斥期間の経過により消滅したといわざるをえない」としています。 この点、昨年の毒ガス遺棄訴訟の東京地裁判決が除斥期間の適用について「著しく正義、公平の理念に反し、適用を制限することが条理にかなうというべきである」としたのと、大きく異なります。 正義・公平の理念による除斥期間の適用制限は、最高裁も既に1998年の予防接種禍訴訟の判決で認めている法理なので、それらに比べて、今回の判決は後退しています。(学説では民法724条後段の「20年」は除斥期間ではなく時効と解すべきとの見解が有力になりつつある。) それと今回の判決は、国(及び企業)と被害者の間に契約類似の関係があるとして、安全配慮義務違反という国(及び企業)の債務不履行責任からのみ国(及び企業)の賠償義務を肯定したものです。従って、国と被害者の間に契約類似の関係を観念できる強制連行・労働や従軍慰安婦の問題では国の賠償義務を肯定できても、国と被害者の間に契約類似の社会的関係をおよそ観念できない南京事件や731部隊の人体実験や無差別爆撃や毒ガス遺棄などでは、この判決の論理だと国の賠償義務は否定されてしまいます。 まぁ、戦後補償裁判で最大の壁と言われる国家無答責の法理を「現行法下では合理性・正当性を見いだしがたい」などと一般論として否定したことと、ともかく、戦時中の行為について初めて国の賠償責任を認めたことなどで画期的であることに間違いはないでしょう。 また、不法行為責任を除斥期間適用で否定しながら、安全配慮義務違反は(時効の援用否定で)認めるという判決の論理構成は、安全配慮義務の有用性を再認識させたものだとも言えるでしょう。
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