皆様、返信ありがとうございます
原告の代理人が記事を書いているということなので、まず、そちらを読んでみたいと思います。 なお、私が、どのようなことを問題と考えているかを公開しておきます。
この裁判は、「百人斬り」競争について、本多氏などが記述したことが事実かどうかという点にのみ、焦点が行っているようですが、裁判である以上、別の問題がたくさんあるように思います。
最初の投稿には書かなかったのですが、下記の民事訴訟法118条(外国裁判所の確定判決の効力)の条文をふまえた上で、M氏,N氏の判決が国内での裁判の判決と同等に扱われるのか疑問に思ったわけです。 とりあえず、【サンフランシスコ条約によって、第二次世界大戦の戦犯を裁いた日本外の国際軍事法廷の判決は、日本国内において法的効力を有することが確定されています】ということですね。
ということは、歴史の事実とは別に、軍事法廷の判決の内容が事実であると主張すること自体には問題がないということになると思います。 一般的に、名誉毀損の場合は、挙証責任のある出版社などが過酷な状況に置かれるのですが、この場合は、ちょっと複雑になりそうですね。 南京軍事法廷の裁判資料は、プライバシーを理由に非公開とされてきたと聞いておりますが、この裁判で、公開が請求されることになるかもしれません。
名誉毀損については、民法710条と723条とによりますが、710条についてこのような判例があります。
----- ある者の前科等にかかわる事実が著作物で実名を使用して公表された場合に、その者のその後の生活状況、当該刑事事件それ自体の歴史的又は社会的な意義、その者の事件における当事者としての重要性、その者の社会的活動及びその影響力について、その著作物の目的、性格等に照らした実名使用の意義及び必要条件を併せて判断し、右の前科等にかかわる事実を公表されない法的利益がこれを公表する理由に優越するときは、右の者は、その公表によって被った精神的苦痛の賠償を求めることができる。(最高裁判 平6.2.8 民集48-2-149) -----
「百人斬り」の場合は、この判決とは状況が異なり、すでに死亡した M氏,N氏の名誉が、ここ20年内に毀損され、その継承者が精神的苦痛を受けたということになると思います。 しかし、争点は、やはり「当該刑事事件それ自体の歴史的...な意義」があるかどうかということになります。
以上が、私の現在のチェックポイントです。 裁判の内容や雑誌記事などを確認してから、また投稿いたします。
-----参考----- (外国裁判所の確定判決の効力)第118条 外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。 1.法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。 2.敗訴の被告か訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。 3.判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。 4.相互の保証があること。
出所:http://www.houko.com/00/01/H08/109.HTM#s1 -----
P.S. マスメディアを相手にした名誉毀損については、「勝率八〇%前後」という三浦和義氏の、『本人訴訟マニュアル 弁護士いらず』(太田出版,2003年)\1,700 が具体的な事例で解説しています。 ただし、特殊な内容なので、すぐ訳にたつ読者は少ないとおもいます。
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