許伝音(南京紅卍字会副会長、イリノイ大学哲学博士、国際委員会の家屋に関する委員会委員長)の証言概要 「此の家屋委員会は一つの規則を持そて居りまして、武器を携帯して居る者は此の安全地帯に入ることを許されなかったのであります。さうして又如何なる人にもあれ、武装して居る者は此の中に入って行くことをも許されなかったのであります。兵隊も入って来ることを許さないと云ふ規則があったのであります。十二月十四日の朝八時頃、地位の高い日本の将校が国際委員会の本部に入って参りましたのでありますが、其の時丁度私だけが此の本部に居ったのであります。此の日本将校の目的は安全地帯を捜索する許可を得たいと云ふことでございまして、さうして彼の申立てましたのは、安全地帯に支那の兵士連が隠れて居ると云ふことでありました。ラビー(John H. D. Rabe)氏もフィッチ(George A. Fitch)氏も私も共に此の申出を拒みまして、さうして此の安全地域内には、一人も武器を携帯して居る中国兵士は居ないと云ふことを申したのであります。それにも拘らず次の日、日本将校及び兵士達が参りまして、さうして此の「キャンプ」や或は私人の家から兵士であると云ふ名目の下に人々を連れて行かうとしたのであります。 婦人に対して執った日本兵の行動は、前述のものより更に悪く、文明の世界に於ては到底夢想だに出来ないやうな程度のものでありました。日本兵はさうして女が非常に好きで、信ずべからざる程の女に対する嗜好を示して居りました。日本兵が「キャンプ」にやって来て女を連れて行き、さうして強姦する時には、必ず私の所に先づ最初にやって来たのであります。私は日本兵が婦人をどう取り扱ったか、多くの場合を知っている。 或る場合には日本兵は浴場で中国婦人を強姦したのであります。私が其の浴場に行った時、着物が外に掛けてあり、「ドアー」を押して入ると、裸の女が泣いて非常に悄然とした姿で居りました。 非常に尊敬すべき一家の家族があったのであります。彼等は船に乗って河を横切らんとした時、河の真中で日本兵に止められたのであります。是等の日本兵は此の船を検索しようとしたのであります。さうして若い女二人を見て強姦を始めたのであります。而も老人の見て居る前で、更に而も二人の一人は、自分の主人が見て居る前で強姦されました。強姦してから是等の日本兵は其の家族の老人に対して大変面白いぢゃないかと申しました。さうしました所、此の老人の息子であり、さうして是等の婦人の一人の夫であった者は非常に怒りまして、日本兵を叩き始めました。此の老人は此のやうなことに我慢出来ず、さうして又難かしいことになると云ふことを恐れて、河の中に飛び込みましく。さうしますと彼の年取った妻、又此の若い夫の母親である婦人は泣き始め、さうして彼〈女〉も夫に次いで河の中り飛び込みましく。私は一寸申すことを忘れましたが、日本兵は此の老人に対して面白いぢゃないかと申しました時、実は此の老人に若い女を強姦することを勧めたのであります。若い女達は之を聞いて驚き、河の中に飛び込みました。斯くして一家全部溺死してしまったのであります。」