韓国併合正当化のレトリックについて、 以下の論文は、実に的確にまとめていると思います。
○山中速人「日韓併合時の新聞報道と在日朝鮮人像」『在日朝鮮人史研究』4、1979.6
「日韓併合の正当化のレトリックを注意深く探れば、その中に二つの相反する軸が存在することが読みとれる。一つの軸は、帝国主義的な侵略、植民地分割それ自体を肯定し正当化するという欧米的帝国主義の立場からの論理であり、他の一つの軸は、列強の植民地政策を批判しながらも『日韓併合』の特殊性を強調することで『合併』を侵略と切り離して正当化するというアジア・ナショナリズムの立場からの論理である」60頁
前者の「欧米的帝国主義の立場からの論理」にあたるものとして、 次のものが挙げられています。
1.「朝鮮停滞論的レトリック」
2.「例証的レトリック」 →他の帝国主義国の植民地化を例示し、それを「世界の趨勢」として一般化する
3.「進化論的レトリック」 →強国による弱国の支配を普遍の原理とする
また後者の「アジア・ナショナリズムの立場からの論理」としては、 次のものが挙げられています。
4.「日鮮同祖論的レトリック」
5.「形式論的レトリック」 →条約の形式をもって、併合が韓国の意思だったとする
以上は、併合当時の新聞の論調を分類したものですが、 100年近くたった現在においても、 ネット上では、同じレトリックが、 往々にして、前者と後者のレトリックの整合性に思い至ることなく、 再生産されているわけです。
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