新掲示板の始動おめでとうございます。
なんですけども、ここまでとの繋がりがあるので、旧掲示板への投稿とさせていただきます。
写真の真贋論議が南京事件研究にとって枝葉に過ぎないと思いつつ、まんまと乗ってしまうのは、本人としましても内心じくじくとしたものがあるのですが (^^; 東中野本の「検証」のようなレベルのものがまかり通るというのも何とも困った話ですので、杜撰な検証は誰かが指摘しておかなくてはならないと思ってるのです。 というわけで、有名な写真だけは、「検証」なるものの信頼度について考察しておきたいと思います。 ま、中国側の写真集には変な写真がいっぱい紛れ込んでいるように思えるのも事実ではあるのですが。
さて、「南京事件 証拠写真を検証する」のP168に、有名な「鉄帽を被り、右手に日本刀、左手に首を提げてポーズを取る日本軍人」の写真が取り上げられています。この写真ですね。 http://www.nextftp.com/tarari/Matsuo/soushu.htm http://www.nextftp.com/tarari/Matsuo/zanshu_gake.jpg
これに対して、同書は次のようにコメントしています。 「この写真に写っている男性は、軍装、鉄兜、長靴の形状、ネッカチーフなど日本軍兵士にしては不可解な様相である。 まず襟が日本軍の詰め襟ではない。左腰に刀の鞘がない。右腰のベルトに固定されているはずの水筒がベルトの上に位置している。」
服装におかしなところがあるかどうか、ひとつづつ検討していきましょう。
1.軍衣:昭5式軍衣以外のものには見えません。 「襟が日本軍の詰め襟ではない。」と書いてありますが、それは乱暴な断定です。 詰め襟以外のものであるということが明瞭に写っているわけではありません。(上の引用写真の左半分を参照下さい) 要は襟の形は明瞭に写っていないというだけのことです。 私には引用写真の右上のものと比較しても、詰め襟であると読むのが自然に見えます。
2.鉄兜:旧陸軍の九十式鉄帽以外のものには見えません。
3.長靴:別におかしな形には見えません 本来、士官の長靴は自前の別あつらえですから、一人ずつ形が違っても不思議はないのですが、それにしても変わった様子はありません。左足の長靴の前面に黒い縦筋があるように見えるのは、日本刀の刀身の影でしょう。
4.ネッカチーフ:これは鉄帽の紐を蝶結びにしてあるのです。 特に将校に多いのですが、鉄帽の紐を戦国武将の兜の飾り緒のように大きく蝶結びにするのは、一種の戦場のおしゃれであって、珍しいものではありません。(右上写真は「張鼓峰事件」時の歩兵第75連隊第2大隊長木村肇少佐)
5.刀の鞘:この写真では明瞭でない。腰には付けていないようにも見える。
6.水筒:日本軍の将校用水筒に見えます。(右下写真) 水筒は肩紐で、左肩から右腰に下げて着用します。そのままだと行軍中や戦闘時に動いて邪魔になるので、「胴締め」という腰ベルトを装具の上から巻いて、動きを抑えます。 「ベルトに固定されているはずの水筒」 というのは誤りです。 「ベルトで固定されている」と表現する分には嘘ではありませんが。 ともあれ、この水筒の装備の仕方は、戦闘時のそれとは思えません。
7.その他:左肩から右腰へのベルトがもう一本見えますが、これは拳銃嚢の肩紐です。右肩から左腰へのベルトは、図嚢と呼ばれる書類カバンのものです。
で、以上から結論は次の通りです。
・軍装のほとんどは、日本軍の軍装品として不審な点はない。 ・これは戦闘状態の日本軍人ではない。
海軍兵の写真も同じなのですが、確実に言えることは、 「これは、戦闘状態の日本軍人の写真ではない、 戦闘の写真のように装っているだけである」 ということです。 いずれも、「記念写真」のようにして撮られたのではないか、というのが私の推定です。
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